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2012年の制服のマネキン

制服のマネキン(DVD付A)

まさに今絶頂の乃木坂46ですが、
そんな乃木坂46が2012年12月19日にリリースしたシングル曲が「制服のマネキン」です。
以下の文章はそんな制服のマネキンに関して、2012年のリリース直後に僕自身が書いた感想のようなものです。
今の僕と意見が違うところも多々あるのですが(例えば僕は今UZAは結構好き)、2012年当時の空気も合わせて味わって頂きたく、あえてそのままにしました。元々誰かに見せるように書いたものではないので大分好き勝手言っていますが、ご容赦ください。
しかし、制服のマネキンはやっぱり何かの分岐点だったという考えは今でも一切変わっていません。

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制服のマネキン



乃木坂46の4枚目のシングル、制服のマネキン
まず最初、タイトルを聞いた段階で秋元ふざけるなと、
今一番大事な時期の乃木坂に変な曲歌わせやがったら承知しねえぞ、と思いました。
んですが!これはなんとまあ素晴らしい曲でしたね。結果的に。
パッと聴きの感想はAKBのUZAみたいな路線をもう乃木坂にも持ち込んできた
のかと感じたのですが、今回乃木坂はこのクールかつダンサブルな曲調をAKB以上に見事に乗りこなしている。
まず、ハッキリ言ってAKBのUZAというのは明らかに失敗だったと思う。
今までのベタなアイドル路線から脱却を図ろうとした意欲的なシングルだったのかも
しれないが、UZAという曲とAKBは非常に食い合わせが悪かった。
秋元の思惑としては、UZAなんてふざけた人を食ったようなタイトルでその実カッコイイダンスチューンだったらかっこよくないすか!?な感じになる事を想定していたのだろうが、その実コケてファンの反応も今一よくないだけの
曲ができあがっただけのように思う。
ここではUZAの失敗について論じたいのではなかった。話を元に戻す。
制服のマネキンは今までの乃木坂の清純派さわやかアイドル路線の曲とは一線を画している。この曲がなぜ素晴らしいのか、考えるところはいくつかある。
作詞はいつもの通り秋元康だが、歌詞の分析は後回しにするとして、作曲である。
制服のマネキンの作曲は杉山勝彦エビ中仮契約のシンデレラ前田敦子の右肩なんかが最近のアイドル仕事の代表作かなと思う。仮契約、右肩、制服のマネキン、全然タイプの違う曲だ。なんだかこの人にはそこしれない才能を感じる。
話をまたUZAとの比較に戻してしまうが、今回の制服のマネキンがクールなダンス曲として成功した要因はやはり強いビートにあると思う。UZAの場合なんとなく雰囲気はあるがビートが弱かった。
これは個々人のボーカルに重点を当てて製作してしまった事による弊害だと思われる。なんだかんだ言ってAKBも長いことやってると歌唱力もついてきてそれぞれの声が個性を発している、特にメインどころのメンバーは。
彼女たちそれぞれにいくつかのソロパートを与えつつ曲全体として絞まったダンスチューン
にする事は難しい仕事であったのだろう。ダンスチューンの肝、それは強いビートの
ループだ、しかし様々な違った個性によるソロパートを持たせること、それはループを乱し、ダンスチューンとしての機能を失わせる。
乃木坂の曲にはこれまでもそうであったが、ソロパートというソロパートはハッキリ言って無い。それぞれの歌唱力にもそれほど差は見られない、良い言い方をすると、変なクセのある歌を唄う人間がいないのだ。
必然的に全員が同じメロディラインを唄うことになる、これが非常に良いアンサンブルを生み出し、なおかつ今回は曲ともマッチしている!
あーだこーだ曲調とかを分析してもしょうがない、結論を言ってしまえばこの「制服のマネキン」という曲は大雑把に「第一次アイドルブームの終焉を告げる曲」とも言える。
この曲は2012年の年末に出てしかるべき曲だったということだ。
AKBも前田敦子の卒業やらあまたのスキャンダルで一時の熱気を失いつつあり、その後飛ぶ鳥を落とす勢いで後方から攻め込んできたももクロも念願の夢であった紅白出場が決定し、明確な目標が無くなってしまった感もある。
つまりはAKBという巨大な牙城があってこそ、そこに攻め込まんとするももクロらその他大勢のアイドルも輝きを放っていたのであるが、牙城が崩れつつある今、それぞれが独自の方向性を持って活動しなければならない。
大きくなることだけを目標にしていてはいつか限界が来てしまうと言うことをシーン全体が感じ始めているのである。
完全にとっ散らかっているが、まとめると、制服のマネキンとはアイドル達自身について唄っている曲と思う。なんてったってアイドルが代表作の秋元の真骨頂という感じもするが。
バンドブーム終焉の頃にブーム最大のヒットを飛ばしたブルーハーツの情熱の薔薇だとか、
筋肉少女帯の踊るダメ人間なんかもそうではないか。今まで唄ってきたことに対するメタ視点での批判が歌詞になっている。映画で言えばラストシーン。
ひらたくいえば何もかもぶっ壊れちまったAKBに対するヤケクソの返答的歌詞が制服のマネキンの歌詞だと思うのよね。
今まで唄ってきた女の子の恋愛だの青春だのの歌詞って聴いてる中高生からしたら身近に感じられる世界観だったかもしれないけど、唄ってる当人たちにとっては捨てた世界だからね。毎日カチューシャつけてビーチでキャハハしてる女の子よりは圧倒的にマネキン(見世物)に近いっちゅーことっすよ、心情的に。
謡曲がヒットする時ってのはいつの時代でも謳うに然る人が歌うべき曲を唄ったときだと思うのです。今回の制服のマネキンはまさにそれ!
ただ、こんだけ今までの秋元界隈のやってきた事をぶっ壊すような曲をやっちゃって
次はどうすんのかなーっていうのが心配だし楽しみだ。
SKEは片想いFinallyで次のステップに行こうとしたのを左利きで戻しちゃったから売れなくなっちゃったと思うんだけど。そういうのは無しにしといてほしいっす!
がんばれ乃木坂!
あ、カップリングの指望遠鏡は今までの乃木坂のメイン路線を踏襲したすごい良い曲
である事もここに付け加えておきます。