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アイドルネッサンスが起きている

先月ついにファーストアルバムをリリースし、着々とその名前を聞くことも増えてきたソニーミュージックアーティスツが運営するアイドルグループ「アイドルネッサンス」。
彼女たちの披露する楽曲は基本的にすべて過去の名曲の再演である。
そもそもルネッサンスとは古典文化の復興のことなので、名は体を現すといったところである。
 
昨今のアイドルは今話題のBABYMETALもまさにそうなのだが、
コンセプト第一主義というところがある。
メンバーの個性だけには留まらず、
グループそれ自体の存在にも意味性が求められるのだ。
知ったような口を叩く御託はこの辺にして、
とりあえずアイドルネッサンスを絶賛したいと思う。
 
私はまだアイドルネッサンスのパフォーマンス事態にはそれほど触れることができていないので、
主に音源からしか彼女達を語ることしかできないのだけれど、
とにかく素晴らしい。
 
 
 
まず、カバーする楽曲のセレクトが秀逸すぎる。
今のアイドルがカバーをするとなると、フジテレビのFNS歌謡祭などでもお馴染みかとは思うが、昔のアイドルの歌だったり、懐かしのヒット曲だったりする。
アイドルネッサンスのカバーする楽曲はそんなに安直ではない。


アイドルネッサンス「太陽と心臓」(MV)

例えば東京スカパラダイスオーケストラの「太陽と心臓」だったり、大瀧詠一の「Happy Endではじめよう」だったり、知る人ぞ知る名曲ばかりなのである。
もちろん村下孝三の「初恋」であったり一般的なヒット曲のカバーも無いことはないのだが、このどちらかといえばTSUTAYAの「発掘良品」的な楽曲セレクトのセンスは素晴らしいと思う。
高野寛の「ベステンダンク」などは彼女達のパフォーマンスによって知ったし、KANA-BOONの「シルエット」のような比較的最近の曲もレパートリーにある。 
 
 
 
さらにアイドルネッサンスの素晴らしい点はその巧みなアレンジにある。
アイドルの楽曲というといわゆる良心的な音楽ファンからは嫌煙されることが多いのだが、アレンジ面から言えば本当に緻密なものが多い。バンドスタイルでの披露が基本的に想定されていない分、アレンジャーはとにかくやりたい放題できることもあってか、アイドルの楽曲は言ってしまえば現代日本で最高品質のアレンジを聴かせてくれていると個人的には勝手に思っている。
 
そしてアイドルネッサンスのアレンジは、例えば原曲を今聞くとさすがに音のスカスカ感が否めない過去の名曲のアレンジを、現在の鑑賞に耐えうるレベルまでもってくることに成功している。
 
 
アイドルネッサンス現代の音楽界にもたらす最大の功績は「偏見の払拭」であると思う。
例えばそれは、
過去の名曲を現代でも聴きやすい形にすることによる過去の曲に対する偏見だとか、
もろにアイドルっぽい曲ではなくて過去の名曲を披露することによるアイドルネッサンス自体への偏見の払拭でもあると思う。
色々なジャンルのロックだとか歌謡曲の名曲を扱うアイドルネッサンスはそういったジャンル間にある偏見も払拭してくれるのかもしれない。
 
そしてなにより、
彼女たちには最高の歌唱力がある、
素晴らしい歌声がある。
 
彼女たちのそれがなければ、どんなに素晴らしいコンセプトもこう上手くはいっていなかったことだろう。
 
彼女たちが日本の音楽にさらなるアイドルネッサンスを巻き起こしてくれることを願ってやまない。

アワー・ソングス