また会ってください
欅坂46「世界には愛しかない」のカップリング、長濱ねるの「また会ってください」。
スピッツのようなサウンドに乗った長濱ねるの歌唱は前作「乗り遅れたバス」よりも幾分上達しているように感じられる。
歌詞的にはこの「また会ってください」は「世界には愛しかない」の全カップリングのエンディングテーマのようなものであると言える。
「寂しさの風が木々たちを揺らし
蜩(ひぐらし)が名残惜しそうに鳴いた
憧れの影は
すぐそばを歩くのに
距離が縮まらない
恋の歩幅はもどかしいもの」
結局この歌の主人公は「また会ってください」とは一言も"あなた"に言えていない訳で、これは「会いたかった」という曲が象徴であるAKB48とはかなり対照的だ。
「誰よりも大切だから
フラれても後悔しない」
と歌っていたAKB48に対して、
「また会ってくださいその一言が言えない
あなたに負担をかけてしまいそうな気がして」
と歌う長濱ねるは如何にも欅坂46らしい。
地味な曲に思えて実は欅坂46のアイデンティティーを示した重要な楽曲なのかもしれない。
そして、長濱ねるの属するひらがなけやきの「ひらがなけやき」もそうだったが、夏から秋への変化を感じさせる楽曲である。
「世界には愛しかない」には夏を感じさせる欅坂46の曲と秋を予感させるけやき坂46の曲が同居しているのだ。