小栗かずまたは世界に羽ばたくか?
「花さか天使テンテンくん」という漫画があった。
個人的にあの作品、ハリウッド映画にできると思う。
少年ジャンプが割と低迷していた頃のギャグ漫画で、割と低年齢層向けな作品ではあったのだが、作品の根底的な世界観はとても深い。
テンテンくんの世界では才能とは生まれる前に神様から"種"の状態で与えられる。
この才能の種を花として咲かせる人間もいれば、種のままで終わる人間もいる。
例えばプロスキーヤーの才能を持っている人が全くそれに気づかず、サラリーマンをやって一生を過ごしたりする、こういった場合才能の種は花開かずに彼の人生は終わる。
このように自分の隠された才能に気づかずに一生を終えていく人がほとんどではある。
しかし、主人公のヒデユキくんはそもそもその才能の種自体を与えられなかった(代わりに彼の身体には梅干しの種が入っている)。
「花さか天使テンテンくん」はそのヒデユキくんが本来与えられるべきは何の才能だったのかを、探していく物語である。
テンテンくんは色々な才能の種を試しにヒデユキくんに飲ませ、
天翼ジョウロというアイテムを使い、才能を一気に開花させる。
そのことによってその才能が彼の本当の才能かどうか試すのだ。
テンテンくんは天国を追い出されたいわゆる堕天使であり、ヒデユキくんの才能を見つけなければ天国へは戻れない。
ヒデユキくん以外の人にもテンテンくんが
天翼ジョウロを使うことで、
周囲の人たちも自分の才能に気づいていく。
天翼ジョウロによって才能が開花するのはほんの一瞬なのだが、その一瞬の成功体験が彼らの人生を変えていくのである。
最近TBSラジオのたまむすびのPodcastで映画評論家の町山智浩さんが「神様メール」という映画の紹介していて、このテンテンくんの事を思い出した。
テンテンくんも、そのまんまって訳には勿論いかないだろうけど、
この設定は映画にできるだけの可能性があるんじゃないだろうか、
などと思った。