navylight’s blog

当世のアイドルと前世のニューウェーブ

ウイングマン〜異次元ストーリー

ウイングマン 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)

桂正和の処女作。
仲の良い鳥山明は相当に桂正和の影響を受けていると感じた。サイバイマンの元ネタはこの漫画に出てくるシードマンだったし、グレートサイヤマン編はモロにウイングマンという感じ。
光の鳥山明、影の桂正和という感じで二人の作家は表裏一体と言って良いと思う。
文庫版で読んだのだが、一巻の解説を書いている作家は鳥山明だった。
ウイングマンの素晴らしいのは、作家の処女作だけあって、前半から後半にかけて作家の成長がありありと読み取れるところ。前半のガチなSFっぽい設定もゾクゾクして面白いのだけど、後半のあおいと美紅のどちらを選べば良いのか思い悩む健太の姿は、桂正和の後の作品の萌芽という感じである。
今の時代なら、前半のミステリアスな雰囲気のがウケると思うが、時代がラブコメを要請したのだろう。桂正和に恋愛モノの才能があり過ぎたのかもしれないが。異次元人のあおいが瀕死の状態で真の姿を暴かれてしまった時、ウイングマンが必死に目を逸らしながら戦うシーンはグッときた。
ストーリーもさることながら、桂正和メカニックデザインが素晴らしく格好良い。ウイングマンのスーツ、ウイナア・ウイナルドの洗練されたデザイン。発表が1983年なのだけど、東映ヒーローの後のメカやスーツのデザインに絶対影響を与えていると思う。ウイングマン自体が東映ヒーローを元ネタにしているのに、逆に本家に影響を与えているカタチだ。
作中のキャラクター的なとこでいくと、主役の広野健太を取り巻く周りの女の子達はとにかく報われない。最も側にいたあおいさんさえ最後は哀しいクライマックスである。
作品通して「夢」というのがキーワードになっているが、夢を必死で叶えようとしてる人の周りってのは得てして報われないもんなのかもしれない。

 

 

 

夏はニューウェーブラテンで漫才気分

https://youtu.be/z0C086XR2Fo

80年代の伝説、THE MANZAI

その、とある回のオープニング。

ラテンぽい音楽に乗せて、

たけしが、紳助が、のりおが躍り狂うナウい感じのオープニングだ。

 

この曲が何の曲なのか、しばらく引っかかっていたのですが…。

https://youtu.be/a4POHxFlELg

ニューロマンティクスのファンカラティーナバンド、モダンロマンスの曲であった!

このモダンロマンス、学生時代に一枚100円でアナログ盤を購入し、よく聴いていたバンド。

ニューロマンティクスとはいえ、シンセメインと言うよりはラテン要素の強いバンドである。

分かりやすく例えると、イギリスの米米クラブというか…。トムトムクラブとスペシャルズとデュランデュランを足して3で割ったようなバンド。

 

持っていたアルバムは日本編集の「ファニータ」というベスト盤で、THE MANZAIで使われていた「Ay Ay Ay Ay Moosey」は入っていなかった。が、今はCDでベスト盤も出ているようです。Apple Musicでも聴けます。

 

Platinum Collection

Platinum Collection

 

 



 

シュートサイン

47th Single「シュートサイン Type A」初回限定盤

こじはること小嶋陽菜のAKBラストシングルはプロレスの曲。
シュートサインというのはプロレスの「ここからガチで戦う」という合図らしい。

 

この曲はテレビ朝日でやってる「豆腐プロレス」というAKBのドラマの主題歌なのだが、
これも今までのAKBの今までのドラマとは少し違った雰囲気で面白い。
何が狙いなのかイマイチ分からないし、筋書きもそこまで良いとは思えないが、
とにかく雰囲気で魅せるドラマだ。
(※最新の7話は少しオチャラケた感じでいただけなかった)
マジなのか悪フザケなのか狙っているのか、そのへんがよくわからない所が好きだ。

 

「シュートサイン」は久々に歌謡曲している曲調だけど、こじはると言えば「ハートエレキ」をはじめ、
艷っぽい歌唱がこういうシュートサインみたいな曲にマッチしている。

全盛期のAKBのボーカルの象徴だったこじはるの声がこのシングルで聴くのも最後かと思うと口惜しい。
曲のアレンジでいいところは終盤の少しディスコっぽいブレイク。
終盤になるに従ってどんどん盛り上がっていく展開が聴かせる。

 

こじはるというのは歌手としての実力で言えばグループ随一だったと思うのだが、
そこまでそういう印象が無いのは歌だけじゃなくて彼女が何でもできちゃう人だったからだと思う。

このなんだかよくわからないけど染みるプロレスの歌で、あの頃のAKBがほんとに終わる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

二人セゾン〜What made you do that?

二人セゾン(TYPE-A)(DVD付)

欅坂46の3rdシングル「二人セゾン」は追憶の曲であり、希望の曲でもある。
恋人を季節に例えたその歌詞は、冬という一年の締めくくりの季節に聴くのに相応しい内容だ。

一番の歌詞に出てくる表現は秋元康としてはよく見るような表現も多いと思うが、キモはやはり二番だろう。

 

"What made you do that?"
(なんであんなことしたの…?)

 

この一節以降の展開の妙である。

 

"花の無い桜を見上げて
満開の日を想ったことはあったか?
想像しなきゃ 夢は見られない 心の窓"

 

パフォーマンスの際にセンターの平手友梨奈が巧みなソロダンスを見せつけるこの部分の歌詞は、特に素晴らしい。

冬の毎日の寒さから、春のあの暖かさというのはなかなか想像に難いのだけれど、確かに毎年春は訪れる。季節というものの神秘性すら感じられる。

 

春夏秋冬を謳った名曲。

 

 

 

僕はいない

やさしくするよりキスをして(初回限定盤)(DVD付)



発売から一ヶ月以上が経ち、渡辺美優紀は本当にいなくなった。


NMB48の「僕はいない」は彼女の卒業から時間が経てば経つほど力をもつ曲だ。


そもそも卒業ソングとは、その曲の主人公たる卒業メンバーがいなくなってしまうと途端に賞味期限が切れてしまう。
ライブで披露されるにしろ、曲の中心だった人物がいないのだからどこか不格好にならざるを得ない。
しかしこの「僕はいない」は卒業メンバーがすぐにいなくなることを予め想定した曲であるため、 というかその中心メンバーが不在である事それ自体が意味を持つ楽曲であるからして、センターたる渡辺美優紀が卒業してから時間が経つほど、より曲としての強みを増している。

 

映画「桐島、部活やめるってよ」で桐島本人が一切姿を表さないことにより、余計に存在の大きさが際立つ、あの原理である。

この曲は渡辺美優紀本人がいない状態で歌われることで、より強く渡辺美優紀の存在を意識させる、不思議な曲なのだ。
改めて聴くと、実はハッキリと渡辺美優紀の声が際立って聴こえるのは冒頭のソロ部分だけで、センターで在りながらそれ以外の部分ではほとんど彼女の歌声は目立たないのである。


「僕はいない」という曲は、卒業メンバーのために卒業ソングを書いても、その卒業メンバーは結局すぐに卒業してしまうという問題へのこれまでになかった最適解を出した楽曲だったのだ。
だからこの曲の存在によってNMB48における渡辺美優紀の存在は半永久的なものになったとも言えるかもしれない。
彼女なきあと、この曲に代わりのセンターはいらない。
センター不在でこそ歌われる曲なのだ。

 

「いくつの台風が通り過ぎたなら
君への想いは消えるのだろう」

 

という歌詞が、やたら台風の多いこの9月になって響いてきた。

僕はいない

僕はいない

 

僕はいない(通常盤Type-A)(DVD付)

僕はいない(通常盤Type-A)(DVD付)

 

 

 

また会ってください

世界には愛しかない(TYPE-B)(DVD付)

欅坂46「世界には愛しかない」のカップリング、長濱ねるの「また会ってください」。
スピッツのようなサウンドに乗った長濱ねるの歌唱は前作「乗り遅れたバス」よりも幾分上達しているように感じられる。
歌詞的にはこの「また会ってください」は「世界には愛しかない」の全カップリングのエンディングテーマのようなものであると言える。

 

「寂しさの風が木々たちを揺らし
蜩(ひぐらし)が名残惜しそうに鳴いた

 

憧れの影は
すぐそばを歩くのに
距離が縮まらない
恋の歩幅はもどかしいもの」


結局この歌の主人公は「また会ってください」とは一言も"あなた"に言えていない訳で、これは「会いたかった」という曲が象徴であるAKB48とはかなり対照的だ。

 

「誰よりも大切だから
フラれても後悔しない」


と歌っていたAKB48に対して、

 

「また会ってくださいその一言が言えない
あなたに負担をかけてしまいそうな気がして」


と歌う長濱ねるは如何にも欅坂46らしい。

地味な曲に思えて実は欅坂46アイデンティティーを示した重要な楽曲なのかもしれない。


そして、長濱ねるの属するひらがなけやきの「ひらがなけやき」もそうだったが、夏から秋への変化を感じさせる楽曲である。
「世界には愛しかない」には夏を感じさせる欅坂46の曲と秋を予感させるけやき坂46の曲が同居しているのだ。

 

 

 

世界には愛しかない(TYPE-B)(DVD付)

世界には愛しかない(TYPE-B)(DVD付)

 

 

 

また会ってください

また会ってください

 

 

 

 

 

 

今夜はShake it!〜ディスコとSKE48

今夜はShake it !



2016年8月17日に発売されたSKE48のニューシングル「金の愛、銀の愛」。
そのカップリングであるグループ内ユニット"ラブ・クレッシェンド"による新曲「今夜はShake it!」をオススメしたい。

ラブ・クレッシェンドは以前表題曲を歌った事もあり、単独でミュージックステーションに出た事もあるユニットだ。
メンバーは松井珠理奈江籠裕奈北川綾巴熊崎晴香、菅原茉椰、小畑優奈、後藤楽々の7人。

前回のシングル「チキンLINE」もサンタエスメラルダ調のディスコっぽい曲であったが、このラブ・クレッシェンドの「今夜はShake it!」もゴリゴリのディスコ曲である。
正直自分は最近のSKEの曲は詩的な魅力をあまり感じてこなかったのだけれど、その理由がなんとなく分かった気がする。
SKEの歌詞はもう他の48グループに秋元康が書く歌詞とは一線を画していて、乃木坂や欅坂の歌詞がポエトリックな面で特化しているとしたら、SKEの歌詞はダンスミュージックの歌詞としての機能に特化しているのである。
メッセージ性よりもムードを重視した歌詞なのだ。
これは深読みして難解に捉えるよりも音として受け取る事で真価を発揮するものだと思う。

そんな訳でこの曲の良さを伝えるにはなんとなくの感じをダンスミュージックの古典に例えるしかないのだけれど、「チキンLINE」がサンタエスメラルダだとすれば、「今夜はShake it!」はアラベスクビー・ジーズの世界である。
そもそもSKE48の初期の名作シングル「1234ヨロシク!」などもかなりディスコ寄りの曲であったし、SKEとディスコの相性はかなり良いのかもしれない。
揃いの衣装を着て規律の正しいダンスを踊るSKE48のパフォーマンスは、確かにディスコの名産地であるドイツを思わせる部分もある。
SKEがディスコに特化したアルバムとかを出したら、結構面白いと思う。

今夜はShake it !

今夜はShake it !

  • ラブ・クレッシェンド
  • J-Pop
  • ¥250

 

金の愛、銀の愛(劇場盤)

金の愛、銀の愛(劇場盤)