navylight’s blog

当世のアイドルと前世のニューウェーブ

君はミン&クリナメンを知っているか!?

猿の宝石


ミン&クリナメンは80年代にインディーズで活躍した日本のバンドである。
ボーカルを務めた泯比沙子はライブ中に
セミを食べるなどの奇抜なパフォーマンスで知られ、ベーシストの調先人は後にハイロウズでも活躍した。
ナゴムレーベル、キャプテンレーベルと80年代の代表的なインディーレーベルからリリースを重ね、アルバム「猿の宝石」ではメジャーデビューも果たしている。
そもそも自分はバックは男性でボーカルのみ女性という編成のバンドが好きである、ミン&クリナメンもまさにそういった編成のバンドだ。日本でこの編成のバンドといえば、ジュディマリ相対性理論、ちょっと古くなるとジューシィ・フルーツなんかもそうだ。イノベーションをもたらしたバンドが多い気がする。
最近だと水曜日のカンパネラなどもその範疇なのか。

奇抜なパフォーマンスが先立って語られるが、サウンド的には今聴いても通用するほど非常に完成されたポップスである。

80年代のインディーバンドというとネタに走ったキワモノっぽいものが多く、今聴くと割とサムいことも多いのだけれど、ミン&クリナメンは曲の完成度が高いプラス、ボーカルの泯の声のキャラが非常に立っている。
当時はポスト戸川純とも言われていたらしい彼女のボーカルなのだが、個人的な感想として声のロックとの相性の良さは戸川純よりも断然上と言って良いと思う。
バンドのサウンドとしてはXTCを通過した町田町蔵INUといった感じだろうか。
おそらくバンドのプロフィールから想像するより3割増くらいではポップだと思う。

さらに歌詞である。抽象的な表現は深読み不可避、独特の節回しや表現が2016年の現在でも光っている。

ミン&クリナメン:フラッシュ・ザ.ナイト




電気グルーヴ筋肉少女帯、たまなどを輩出したナゴムレコードからでている「世界によろしく」の音源がitunesで配信されているため、現在は最も聞きやすいのだけれど、
こちらはボーカルに焦点を当てたものになっている。なんといっても「猿の宝石」に入っている曲群を聴いて頂きたいのだが、残念ながらこちらは現在廃盤。
こどもたちのCityというオムニバスに収録された「フューチャーナウ」という曲のスタジオバージョン(アルバムの方はライブ音源)が「猿の宝石」の曲の中では唯一itunesで配信されているので、気になった方は是非まずはこちらを聞いてみていただきたい。
https://itunes.apple.com/jp/album/fu-yucha-nau!!-bai-qi-wei/id549384431?i=549384553&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog



あとはキャプテンレコードから出ていた音源のうち1曲がロマンポルシェのオムニバスに収録されている。関係ないけどアイドルソングニューウェーブの相似性っていうのはこの人たちの存在だけでもう証明されている部分はある。




それにしても当時の日本のロックは半分近くインディーズが占めていて、重要な作品もかなり残しているのに、そのほとんどが今正規のルートで聞くことが難しいというのはどうにかならないだろうか。
まあ、だからこそこういうバンドを見つけた時の嬉しさもひとしおという話もあるが・・・。