ルーツ・オブ・ドラゴンボール
ドラゴンボールには色々な作品からの影響が見られる。アクション映画からSFまで多岐に渡ると思うのだけれど、その中からいくつかご紹介したい。
「ターミネーター」
セル編の冒頭、荒れ果てた未来からトランクスがやってくる、あのくだりはまさにターミネーターである。人造人間16号などはアーノルド・シュワルツェネッガーのターミネーターを思わせる描写も多い。是非ともセル編を映画化する際はジェームズ・キャメロンに監督をやってほしいものである。キャメロンにセル編を読ませたら少し怒られる気もするが…。
ギニュー特戦隊という悪の5人組がフリーザ編で出てくるが、これは鳥山氏が自身のお子さんとこの地球戦隊ファイブマンを見ていて思いついたらしい。
とはいうもののその元となったのは主人公であるファイブマンではないだろう。
地球戦隊ファイブマンには敵役の銀河戦隊ギンガマンというのが出てくる、
このギンガマンは5人組ではあるが容姿はバラバラの宇宙人、まさにギニュー特戦隊そのもの。
明らかにギニュー特戦隊のルーツとなっているのはこのギンガマンだ。
逆に数年後の五星戦隊ダイレンジャーはドラゴンボールから非常に影響を受けた作品である。
ドラゴンボールのアニメも東映作品ということで、色々互いに寛容だったに違いない。
「酔拳」
周知の事実だろうが一応。
初期の亀仙人の元でのクリリンとの修行のあたりなどは酔拳でのジャッキーの修行シーンを思い起こさせる。
そもそも天下一武道会で正体を隠した亀仙人が
名乗る名前もジャッキー・チュンである。
というか、ジャッキー・チュンも酔拳を普通に使う。
ドラゴンボールはこの酔拳をベースに、アメリカンコミックやSFを織り込んだ世界観が基盤となっている。
昨年話題になったこの作品もドラゴンボールを形作る上で欠かすことのできないものである。
鳥山明はドラゴンボール執筆前にも「MAD MATIC」という明らかにマッドマックスを意識した読み切り作品を発表している。
初期のロードムービー的な展開や荒涼とした大地の描写はマッドマックスから来ているのだろう。北斗の拳がマッドマックスから影響を受けているのは有名な話だが、ドラゴンボールはマッドマックス以外のあまりに多くの作品の要素が含まれているので、マッドマックスの影響下にある作品というのが気付かれにくいのかもしれない。
手塚治虫やトキワ荘の作家の作品も多くの映像作品から影響を受けているが、それは80年代後半に始まったドラゴンボールでも同じ事だったようだ。