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初代東京パフォーマンスドールの曲名が面白い

GOLDEN☆BEST 東京パフォーマンスドール


現在も2013年から活動を続ける"新生東京パフォーマンスドール"が存在しているのだが、ここで取り上げたいのは1990年から96年まで活動していた、
穴井夕子篠原涼子市井由理などを擁した方の"初代東京パフォーマンスドール"についてだ。
その曲名について注目したい。


聴き放題音楽配信で際立つタイトル

自分が東京パフォーマンスドールを聴くようになった最大のキッカケは、サブスクリプション音楽配信サービスで適当に色々な音源を渡り歩いていたとき、特徴的な曲名が目を引いたからだ。

こういったサブスクリプション音楽配信を使用していて思うのは、選択肢がどんなに多くても自分の知識のなかにある音楽以外にはたどり着きにくいのが実情で、結局CDを所有している音源ばかり聴いてしまう。
これだと段々飽きがくるし、せっかく何万という曲が聴き放題なのに宝の持ち腐れである。

というわけで、適当にジャンルやおすすめアーティストなどからどんどんアーティストを渡り歩いていき、持っていない音源を色々聴いてみたりしている。

基本的にこういったサービスのユーザーインターフェイスで一見で知ることができる曲の情報というのは、その曲を歌っているアーティストとその曲名くらいだ。
発表年月日が表示されていることもあるがこれはリイシューされた年が表示されていることなどもあり、あまりアテにはならない。

作曲者も作詞者も編曲者もわからない、となれば強いのはやはり曲名である。
なかでも東京パフォーマンスドール(以下パードルと言ってしまう)の曲名は再生ボタンを押さずにいられなかった。

東京パフォーマンスドールはApplemusicやGoogleplay、AWAと主要なサービスあれば聴き放題のラインナップに含まれているので、これらのサービスを利用している方は是非一度聴いてみてほしい。

ジョジョのルーツ?~ダイヤモンドは傷つかない〜

ダイヤモンドは傷つかない


とりあえず真っ先に目についてしまったのが1993年にリリースされた「ダイヤモンドは傷つかない」。
目についた理由は単純、この曲のタイトルがジョジョの奇妙な冒険第4部のサブタイトル「ダイヤモンドは砕けない」に似ていたからだ。

ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

スタンド名やタイトルに様々な海外アーティストのバンド名や曲名からの引用が見られるジョジョだが、まさかパードルからの引用があるとは思わなかった。


...と勝手に思っているのだが真偽のほどはどうなのだろうか。

とはいえよくよく調べてみると「ダイヤモンドは傷つかない」というタイトルは決してパードルのオリジナルというわけではないらしい。
1981年に発表された三石由起子の小説に同じタイトルのものがある。

ダイアモンドは傷つかない (講談社文庫)


この作品は「八月の濡れた砂」で有名な藤田敏八監督で翌82年に映画化もされている。
パードルのタイトルはこれから来ているのだろうか。
さらにいえばジョジョもこちらの小説及び映画からの影響が強そうだ(作者の荒木氏は映画フリークとしても有名)。
しかしながらアイドルの楽曲のタイトルにこれを用いるというのは、90年代のセンスに溢れているとはいえ、けっこう挑戦であったと思う。




アイドルソングの曲名のたどってきた道のり

例えば70年代の代表的なアイドルソングはといえば「17才」「春一番」「UFO」など名詞系が多い。

80年代になると少しアクロバティックなものが増えてくる。
なんてったってアイドル」「テレビの国からキラキラ」「六本木純情派」など表現に多様性が見えてきた。
70年代には単語のチョイスだけで決まっていたタイトルが、その単語にどういう形容詞で装飾を施すかという勝負になってきたように思える。

そして90年代、パードルが打ち出したのが「ダイヤモンドは傷つかない」のような提言というか格言めいた文章系タイトルだ
これが極限までいった状態がB-ing系の「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」のようなタイトルなのかもしれない(アイドルの曲名の話の範囲からは逸脱してしまうが)。

そんなことを考えていると、なんだかこうしたアイドルの曲のタイトルの変遷は、歌謡曲およびJPOP全体の流れに則った、アイドルソングに限らない一般的傾向な気もしてきたが、一応パードルではじめた話なのでアイドルソングの曲名に話を止めさせていただきたい。


一時期の方向性に過ぎなかった格言風タイトル

キスは少年を浪費する


他に気になったパードルの曲のタイトルには「キスは少年を浪費する」「十代に罪はない」などがあったのだが、こういった傾向のタイトルのシングル曲は92年の終わりから94年の初頭にかけてリリースされていたようだ。

94年2月にリリースされた、メンバーである木原さとみのソロ名義シングル「太陽はくやしがらない」以降は今でもよくありそうな英語のタイトルだったり一般的なものが増えていく、と同時にソロ名義でないグループとしてのリリースはほぼ無くなる。

最初気になったような格言ぽいタイトルのパードルの曲というのは実はそれほど多くなかったのだ。

それにしても20年以上経た今でもなお異質に感じるこれらの楽曲のタイトル、素晴らしいと思う。
今新鮮に感じるということは定着はしなかったということなのだろうが。
ちなみにタイトル先行なのか詞が先行なのかはわからないが、作詞は売野雅勇前田たかひろが手掛けている。
しかしこれら格言ぽいタイトルの曲はすべて小室哲哉の楽曲なので、彼の仕業というのが濃厚な線か。

Wikipediaによると東京パフォーマンスドールは結成時のグループ名は、ペレストロイカでおなじみのゴルバチョフにちなんで芸能界に革命をもたらすということでゴルビーズといったらしい。
やたらと挑戦的な曲のタイトルも、こういった革命の一端だったということだろうか。

ちなみにいうと、男性アイドルで同じような格言ぽいタイトルでは、91年のSMAPに「正義の味方はあてにならない」というのがあったが、
それはまた別の話...

Smap Vest


参考;